【890 ADVENTURE インプレ・試乗車ご用意いたしました!】

この890ADVENTURE、同排気量の各メーカーのモデルと比べると見た目は率直にボリューミーでデカイのであります。
シート高は855mmで尚且つ幅もありますので、足着きに関しては大方の平均日本人にはキツイものがあります。
しかしながらこのデカさなのに車重は200kgと結構意外な軽さでありまして、更には燃料タンクの形状が特殊なもので車体下方エンジン両横に分配されておりこれ以上にないであろう低重心化が図られています。バイクに於ける燃料が占める重心重量の変化は操作にかなりの影響がありまして、この構造によりその変化影響がネガになるのを極力抑えられているのです。

なので、いざ跨ってみますとおきあがりこぼし効果と言いましょうかふらつきが少なくて安定しているので安心感があります。
ちなみに私は157cm・53kgしかありませんので当然両足なんかは着きませんが乗れています。
長年の経験からのちょっとしたコツはございますが、伝授いたしますので足着きに不安な方はどうぞお尋ね下さい。

さて、このバイクの実際走ったところの機能・性能についてですが、ひとことで言うなら疲れ知らずのオールラウンダー快適マシーンであります。
比べるのもなんですが、いままで私はスパースポーツばかりを乗り継ぎ現在もヤマハ・YZF-R1Mを乗っていまして、過去に日帰り700km以上のソロでのツーリングを何回かやっていまして、その時はSSでも長距離ツーリング余裕じゃないかなどと思っていました。がしかし、この手のバイクはかっ飛ばしてなんぼでありゆっくり走るのは耐えがたき修行なのであります。

その点打って変わって890ADVENTUREは、ゆっくりだろうが攻めようが乗っていて心地よいのです。更にパニヤケースとか付けてればもう言うことなしのツーリングマシーンですね。燃費もすこぶる良くてフルタンクで400kmくらい走れるのも素晴らしい。

さて、エンジン特性としてはパラレルツイン75°不等間隔爆発のクランクを採用するLC8cと呼ばれるパワーユニットを搭載していてトラクション感覚につながるパルス感は心地よく低速のトルクの立ち上がりから中高速に至るパワーのつながりもスムーズでフラット。とにかくライダーを神経質に追い立てるようなことはなくアクセルワークに気を使わなくてはならないなんてことはありません。宣伝アピールのパフォーマンスは過激でもマシーンは至ってライダーに優しのです。

当たり前のことですが、バイクのコントロールが神経質だと過激なパフォーマンスも出来ません。
オプションになるのですが、テックパックのインストールで、ラリーパック、クルーズコントロール、クイックシフター+、モータースリップレギュレーションが解放されます。

【ラリーパック】トラクションコントロールが9段階で調整可能 スロットルレスポンスが更に細かく設定可能 エンジン性能をフルに引き出せます。
【クルーズコントロール】アクセル操作無しで設定速度で巡行可能 他メーカーのものより非常に使いやすい。
【クイックシフター+】発進時停車時を除き、クラッチ操作無しでシフトアップ・ダウンが可能 軽いタッチのような感覚でスムーズに確実に操作できます。
【モータースリップレギュレーション】シフトダウン時やラフなスロットル操作でのエンジンブレーキを制御、標準装備のトラクションコントロールはスロットルを開けている時の制御ですが、これにより補完された制御になります。
ご購入の際は、是非とも導入して下さい。

あと特筆すべきは足回り。国産メーカーはサスペンションとブレーキがコストダウンのためなのか最上級モデル以外は残念になりがちです。
特に国産メーカーのブレーキはただタッチが固いだけで効いているような雰囲気を演出していますが、まるでリニアなコントロール性能には程遠いものばかりです。
リニアなコントロールとは、言うなれば真綿を締めるような感覚で効くということです。KTMのブレーキシステムはブレンボですのでその違いと効きは如実に実感できます。

ABSは標準装備ですが、単なるABSではなくコーナリングABSなのでコーナリング中の不意なブレーキでも転倒を極力避けるべくロックによるスリップを回避するように制御してくれます。

そしてサスペンションですが、国産メーカーのものは固定バネレートでダンピングは初期から効きすぎていていくら調整しても美味しくは使い辛い。KTMはWPなのですが、そのダンピング特性は初動ではしなやかによく動き、調整をしてもそこは変わらずに奥のところでしっかりと効くように独立しているので美味しいのです。
しかも純正部品としてバネレートが異なるものが設定されてあるので、ライダーの体重や乗り方に合わせて変更可能です。

ロードでもちょっと驚かされたのですが、ブロックタイヤを履かせてダートにも行ってみようと目論んでいます。さて、そのアドベンチャー性能は更に良く期待を裏切ってくれるのではないかとワクワクします。
はなからからダート行くぜという方は元からそういう仕様の【R】がございますので890ADVENTURE Rをお勧めいたします。

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